つらい肩こり・首こりの原因と対策

肩こり・首こりとは、首の付け根から肩・背中にかけての筋肉がこわばり、張っている状態のことです。
ひどくなるとだるさや重さ、疲労感や痛みを感じる症状が現れます。
ではひどい肩こり・首こりはなぜ起こるのでしょうか。

■ひどい肩こり・首こりが起こる原因■

長時間同じ姿勢でいること
PC・スマホの見すぎによる目の疲れ
ストレス
運動不足
体の冷え

それぞれみていきましょう。

1. 長時間同じ姿勢でいること
肩こりの原因として多いのが、長時間同じ姿勢でいることで起こる筋肉の疲労です。
デスクワークや読書などで長時間同じ姿勢を続けると、首から肩の筋肉が硬直し、血行不良から肩こりを引き起こします。

特に最近増えているのが、PCやスマホを長時間使用することで起こる肩こりです。PCやスマホの操作をするとき、首を少し前に突き出して両肩をすぼめる姿勢になり、同じ筋肉に負担をかけてしまいます。

長時間デスクワークをする場合は1時間に1回程度立ち上がり、首や肩を回して筋肉の緊張を和らげましょう。

2. PC・スマホの見すぎによる目の疲れ
PCやスマホを長時間使用することで生じる目の疲れも、肩こりの原因になります。
細かい文字を見続けると、目やその周辺の筋肉が緊張します。特にPCやスマホは光源を見つめているのと同じなので、目が常に緊張を強いられている状態です。
まばたきの回数が減ることからドライアイになりやすく、眼精疲労を引き起こします。

眼精疲労が蓄積すると不快感が脳に伝わり、首や肩の筋肉が硬直するため、肩こりが慢性化してしまう可能性があります。目の疲れを感じたら1、2分間目を閉じて休ませるようにしましょう。

3. ストレス
時間に追われて生活する現代社会では、肉体だけではなく精神的なストレスを抱えている人も多いことでしょう。そんなストレスも肩こりの原因のひとつです。

精神的なストレスから身体の機能を管理する自律神経が乱れ、血流が悪くなったり筋肉が硬直したりすることがあります。特に首周りや肩の筋肉が硬くなりやすいので、なるべくストレスをためないようにしましょう。

血行を改善し、自律神経を安定させることを意識して、趣味や運動などでストレスを発散することをおすすめします。

4. 運動不足
運動不足が続くと肩こりを引き起こす可能性があります。
運動不足になると筋肉量が減り、筋力が弱くなってしまいます。弱くなった筋力を支えるために筋肉が緊張状態になり、肩こりの原因になるのです。

また、筋力が弱くなることで血行不良が起こり、酸素や栄養分が伝わりにくくなることから疲労を感じやすくなります。適度な運動で筋肉量の低下を防ぎ、柔軟性を高めてしなやかな筋肉を保つことが大切です。運動を継続することで血流を改善し、日頃から肩こりを起こしにくい体をつくりましょう。

5. 体の冷え
体の冷えも肩こりの原因のひとつです。体が冷えて動かしにくくなると全身の血流が悪化し、肩こりが起こりやすくなります。

体が冷えると体温バランスを整えようとするために自律神経が乱れ、血行不良や筋肉の硬直につながります。気温が低い冬場だけではなく、夏場の冷房による冷えからも体を守りましょう。

また、筋肉量が少ないと体のポンプ機能が弱くなり、血液が循環しにくくなることから体が冷えやすくなります。適度な運動を取り入れて筋肉量を保つことが大切です。

■対策と改善方法■

1. 体を動かす

ひどい肩こりの症状には、体を動かすことが効果的です。体を動かすと筋肉の緊張がほぐれ、血液の循環が促されます。収縮した肩関節の可動域が広がり、肩甲骨周囲の筋肉がほぐれやすくなるような運動がおすすめです。

ガやピラティスなど、ゆっくり全身を動かす運動は、体幹やインナーマッスルを鍛えながら筋肉量を増やせます。ウォーキングやジョギングなどの腕を後ろに動かす運動も肩こりの改善に効果が期待できます。週に2~3回、20分程度を目安に継続しやすい運動を取り入れてみましょう。

2. 肩や首を温める

肩や首を温めるのも肩こりの症状緩和に効果的です。こりを感じる部位を温めることで血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれます。

外出時にはハイネックの服やスカーフ、ストールなどを着用し、首周りを温めるとよいでしょう。一見温かそうなニットのセーターやカーディガンは実は風を通しやすく、冷えやすいファッションです。インナーを重ね着したり、上着をしっかり着込んだりして寒さ対策をしましょう。

入浴時には40℃程度のお湯にゆっくりつかって温まると全身の血行が良くなり、疲労回復とリラックス効果も期待できます。

3. 肩や首のマッサージをする

ひどい肩こりの対処法として、肩や首のマッサージが有効です。首や肩、肩甲骨付近のマッサージをすることで周辺筋肉の緊張がほぐれ、血行が改善されます。

とくに肩周辺の筋肉は肩甲骨に繋がっている部分が大きいため、肩甲骨を動かすと肩周りの血行が格段に良くなるといわれています。デスクワークの合間には肩甲骨を動かして滞った血液やリンパの流れを促し、疲労をためないようにしましょう。

 

肩こりが悪化する前に、定期的にマッサージを行うことが大切です。

4. 肩こり解消グッズを活用する

最近ではひどい肩こりを解消するためのさまざまなグッズも充実しています。
オフィスでも手軽に使える「ツボ押しグッズ」や、患部を温める「温熱シート」などは価格も手ごろで試しやすいです。

「磁気アイテム」などもおすすめです。磁気の力は血行を改善しコリをほぐします。首や肩の血行が改善されれば、首・肩こりの緩和も期待できるでしょう。

他にも肩にかける「温熱式マッサージ機」や直接首にあてる「首まくら」など、たくさんのグッズが販売されています。自分に合ったグッズを見つけて活用し、肩こりを解消しましょう。

5. 治療やマッサージを受ける|保険適用のケースも

肩こりがあまりにもひどく改善がみられない場合は、薬や医療機関での治療を受けましょう。

内服薬で改善したい場合は消炎鎮痛薬やビタミン剤がおすすめです。消炎鎮痛薬は即効性があり、早いものであれば30分程度で効果が出てきます。ビタミン剤はビタミンB1が含まれているものを選びましょう。

外用薬で改善したい場合は、ロキソプロフェン・ケトプロフェン・インドメタシンなどの消炎鎮痛作用を持つ成分がよいでしょう。湿布でかぶれを起こしやすい人には塗り薬もおすすめです。

医療機関を受診する際は、以下の2つの症状を目安にしてください。

  • 症状が左右どちらかに偏っていて広範囲にわたる場合
  • 頭痛や吐き気、しびれなど肩こり以外の症状を伴う場合

整形外科では首の骨や椎間板の異常なども検査してもらえるので、肩こりの原因を見極められ、保険が適用されるケースもありますのでお近くのクリニックや医療機関にご相談ください。

 

以上、ひどい肩こり・首こりの原因と対処方法について解説しました。
PCやスマホが普及している現代では、多くの人が肩こりの症状に悩まされています。
同じ姿勢を続けるのを避け、1時間に1度は椅子から離れて軽いストレッチをすることで、予防・改善に効果があります。

肩こり解消グッズなども活用し、慢性化・重症化する前に対処していきましょう。